2010年06月13日
冷却液漏れ ダイハツムーブ 整備情報86
こんにちは~
今回はダイハツムーブの冷却液漏れの一般整備事例を紹介します。
型式CBA-L150S 年式H16年4月 EF-VEエンジン 走行距離67,600km
エンジンの冷却液の漏れにはいくつかのパターンがありますが、
① ホース・パイプの破損
② ウォーターポンプの破損
③ ラジエターの破損
④ エンジンに付いている部品、ウォータープラグやハウジング(ケース)の破損
⑤ ガスケット・パッキン類の破損
以上、大体5パターンです。
※ あくまで冷却液漏れのケースです。オーバーヒートの原因はほかにもありますよ。
今回は、⑤のケースにあたるんですが、初めて経験する修理で、しかも立て続けに2件ありちょっと苦労した事例です。
『走行中にヒートゲージが上がったのでガソリンスタンドに緊急避難して調べると水が漏れているので来て欲しい』
というお客様の電話で、代車を準備して駆けつけて調べてみると
上はフロントバンパーを外して前から見た画像です。
エンジンの右下あたりに冷却液が垂れてくるのが確認できたので、
上は、エンジンの右側からの画像です。
てっきりウォーターポンプからの漏れだろうと思ったのですが、よくよく調べてみると、冷却液の漏れはその下に垂れているのではなく、となりのウォーターパイプ(ホースを外した状態です。)の付近から垂れてきているようです。
右側少し上にずれた画像です。
どうやら垂れてくる箇所は、インテークマニホールドのあたりから漏れているようです。
上は、エンジン下側から見た画像です。
冷却液が漏れている箇所は、右のオルタネーターの上あたり
さらに上に寄った画像です。
インテークマニホールドが見えてきましたが、その右側黄色い円から冷却液は漏れていました。
なぜインテークマニホールド内からと思いましたが、ディーラーさんに聞いてみると
『その中にウォータージャケットのパッキンが付いていてそれから漏れているのだろう』ということ
『こういうケースは初めてだ』と思いながらも、インテークマニホールドを外すことに・・・
エンジン上から見た画像です。
漏れているのは、黄色い円内の箇所です。
さらにアップ
まず、エアクリーナーケースを取り外します。
ぼやけてますが、エアクリーナーケースとエアフィルターを取り外した画像です。
その中にダイレクトコイルが3本付いていました。
これも新しい構造です。
エアクリーナーケース(下側)と思った箇所が、そのままエンジンのシリンダヘッドカバーになっています。
ダイレクトコイルを外してシリンダヘッドカバーを外します。
外したシリンダヘッドカバーです。
シリンダヘッドカバーの裏側です。
←の箇所タベット(シリンダヘッド)カバーパッキンです。
シリンダヘッドカバーを外したエンジン側の画像です。
ツインカムDVVTエンジンです。
※DVVTにくわしい過去記事はコチラから
外した部品、インジェクターとダイレクトコイルです。
こちらは、スロットルボディー
いろいろ外してくると見えてくるのがこのヒータージョイントパイプ
三つ又または四つ又のパイプですが、このパイプがプラスチック製でとにかく壊れやすい
ですので、ついでに交換しようと思っていたのですが、(1個1000円ちょい)この年式からは対策されてスチール製に変わっていました。
※ ジョイントパイプにくわしい過去記事はコチラから
ようやく外したインテークマニホールドです。
黄色い枠内が、冷却液が漏れていた箇所です。
ここのパッキンが破損して冷却液が漏れ出ていたんです。
インテークマニホールドは吸入系統の部品なので、冷却系統のパッキンが一緒に付いているということが構造的に『なぜ』という感想です。
漏れていたパッキンのアップ画像です。
切れていました。
こちらは、エンジンのシリンダヘッド側の画像です。
漏れていた箇所は、黄色い円内です。(鏡に映して撮った画像ですので左右が反対になっています。)
ちなみに、シリンダヘッドの吸入空気が吸い込まれる穴の中の部分を燃焼室と言い、
インジェクターから燃料が噴射されて、吸入空気が吸い込まれ、そこにプラグからの火花で着火することにより、燃料が爆発してエンジンがかかり回転します。
さらに、アップの画像です。
となりのパイプは、記事の最初の方であったウォーターポンプのとなりに見えたパイプです。
交換した部品、パッキン類です。
黄色い枠内のパッキンが今回漏れていた箇所の新しいパッキンです。
同時に、インテークマニホールドとスロットルボディーのパッキンも交換しておきます。
ところで、今回の修理はパッキン交換で、無事冷却液漏れは直ったのですが、
最初に『ちょと苦労した』という話が、
同じく、ダイハツムーブで、同じ箇所からの冷却液漏れで入庫した別の車両のケース
この記事と同じようにパッキン類を交換して作業終了と思ったのですが・・・
エンジンをかけてみると、また同じように冷却液が漏れる
その原因が・・・
インテークマニホールドの歪みでした。
オーバーヒート気味で熱を持ったせいなのか、四角の枠内の部分が変形していました。
ストレートエッジですき間を測定しながら、ペーパーで磨いて、シールパッキンを塗って再び取り付けると漏れは止まりました。
こちらのお客様の場合は、実は車検でご入庫いただいたのですが、
事前にお見積もりをして、タイミングベルト・ウォーターポンプ交換や、足回りのブーツ類の交換などいろいろと整備がかかり、見積もり金額も高額になっていたうえに、
実際にご入庫いただいてリフトアップしたあとの点検で、
①フロントキャリパーが固着気味
※ フロントキャリパーの修理にくわしい過去記事はコチラから
②リヤブレーキシューの磨耗
といったブレーキ回りの作業も追加となった上に、
さらに
この冷却液漏れも、ご本人が気づかないまま、入庫したあとに発覚したという経緯もあったので、2万円近い新品のインテークマニホールドを追加注文するとお客様に金銭的にかなりの負担になる上に、部品が沖縄に在庫が無くさらに3~4日待たせることになり、直す方が良いと判断して研磨作業で済ませました。
取り付けると漏れも止まったので良かったです。
(T様お引渡しまで時間がかかりすみませんでした。また遠くからお越しいただきましてありがとうございました。)
沖縄県与那原町で
創業40年になる自動車修理工場
仲松自動車修理工場
営業時間 8:00~19:00
定休日 日曜日・祝祭日
車検・一般整備・板金塗装など車の事なら
なんでも御相談下さい
『愛車の傷・凹み、いくらになるのか不安・・でもお店に行くと断りづらい・・』 とお悩みの方必見!
携帯から写真を送っていただくだけでお見積りいたします!
弊社のメールアドレスに損傷箇所の画像をお送り下さい
メールアドレス>>naka.267@woody.ocn.ne.jp
←こちらのQRコードで、仲松自動車修理工場の電話番号・メールアドレスを携帯にご登録いただくこともできます。
代車・お見積り無料です!!
お気軽にご来店ください。お待ちしております
(担当:仲松良一)
地図はこちら
〒901-1301
与那原町字板良敷1365番地
仲松自動車修理工場
TEL 098-946-2185
今回はダイハツムーブの冷却液漏れの一般整備事例を紹介します。
型式CBA-L150S 年式H16年4月 EF-VEエンジン 走行距離67,600km
エンジンの冷却液の漏れにはいくつかのパターンがありますが、
① ホース・パイプの破損
② ウォーターポンプの破損
③ ラジエターの破損
④ エンジンに付いている部品、ウォータープラグやハウジング(ケース)の破損
⑤ ガスケット・パッキン類の破損
以上、大体5パターンです。
※ あくまで冷却液漏れのケースです。オーバーヒートの原因はほかにもありますよ。
今回は、⑤のケースにあたるんですが、初めて経験する修理で、しかも立て続けに2件ありちょっと苦労した事例です。
『走行中にヒートゲージが上がったのでガソリンスタンドに緊急避難して調べると水が漏れているので来て欲しい』
というお客様の電話で、代車を準備して駆けつけて調べてみると
上はフロントバンパーを外して前から見た画像です。
エンジンの右下あたりに冷却液が垂れてくるのが確認できたので、
上は、エンジンの右側からの画像です。
てっきりウォーターポンプからの漏れだろうと思ったのですが、よくよく調べてみると、冷却液の漏れはその下に垂れているのではなく、となりのウォーターパイプ(ホースを外した状態です。)の付近から垂れてきているようです。
右側少し上にずれた画像です。
どうやら垂れてくる箇所は、インテークマニホールドのあたりから漏れているようです。
上は、エンジン下側から見た画像です。
冷却液が漏れている箇所は、右のオルタネーターの上あたり
さらに上に寄った画像です。
インテークマニホールドが見えてきましたが、その右側黄色い円から冷却液は漏れていました。
なぜインテークマニホールド内からと思いましたが、ディーラーさんに聞いてみると
『その中にウォータージャケットのパッキンが付いていてそれから漏れているのだろう』ということ
『こういうケースは初めてだ』と思いながらも、インテークマニホールドを外すことに・・・
エンジン上から見た画像です。
漏れているのは、黄色い円内の箇所です。
さらにアップ
まず、エアクリーナーケースを取り外します。
ぼやけてますが、エアクリーナーケースとエアフィルターを取り外した画像です。
その中にダイレクトコイルが3本付いていました。
これも新しい構造です。
エアクリーナーケース(下側)と思った箇所が、そのままエンジンのシリンダヘッドカバーになっています。
ダイレクトコイルを外してシリンダヘッドカバーを外します。
外したシリンダヘッドカバーです。
シリンダヘッドカバーの裏側です。
←の箇所タベット(シリンダヘッド)カバーパッキンです。
シリンダヘッドカバーを外したエンジン側の画像です。
ツインカムDVVTエンジンです。
※DVVTにくわしい過去記事はコチラから
外した部品、インジェクターとダイレクトコイルです。
こちらは、スロットルボディー
いろいろ外してくると見えてくるのがこのヒータージョイントパイプ
三つ又または四つ又のパイプですが、このパイプがプラスチック製でとにかく壊れやすい
ですので、ついでに交換しようと思っていたのですが、(1個1000円ちょい)この年式からは対策されてスチール製に変わっていました。
※ ジョイントパイプにくわしい過去記事はコチラから
ようやく外したインテークマニホールドです。
黄色い枠内が、冷却液が漏れていた箇所です。
ここのパッキンが破損して冷却液が漏れ出ていたんです。
インテークマニホールドは吸入系統の部品なので、冷却系統のパッキンが一緒に付いているということが構造的に『なぜ』という感想です。
漏れていたパッキンのアップ画像です。
切れていました。
こちらは、エンジンのシリンダヘッド側の画像です。
漏れていた箇所は、黄色い円内です。(鏡に映して撮った画像ですので左右が反対になっています。)
ちなみに、シリンダヘッドの吸入空気が吸い込まれる穴の中の部分を燃焼室と言い、
インジェクターから燃料が噴射されて、吸入空気が吸い込まれ、そこにプラグからの火花で着火することにより、燃料が爆発してエンジンがかかり回転します。
さらに、アップの画像です。
となりのパイプは、記事の最初の方であったウォーターポンプのとなりに見えたパイプです。
交換した部品、パッキン類です。
黄色い枠内のパッキンが今回漏れていた箇所の新しいパッキンです。
同時に、インテークマニホールドとスロットルボディーのパッキンも交換しておきます。
ところで、今回の修理はパッキン交換で、無事冷却液漏れは直ったのですが、
最初に『ちょと苦労した』という話が、
同じく、ダイハツムーブで、同じ箇所からの冷却液漏れで入庫した別の車両のケース
この記事と同じようにパッキン類を交換して作業終了と思ったのですが・・・
エンジンをかけてみると、また同じように冷却液が漏れる
その原因が・・・
インテークマニホールドの歪みでした。
オーバーヒート気味で熱を持ったせいなのか、四角の枠内の部分が変形していました。
ストレートエッジですき間を測定しながら、ペーパーで磨いて、シールパッキンを塗って再び取り付けると漏れは止まりました。
こちらのお客様の場合は、実は車検でご入庫いただいたのですが、
事前にお見積もりをして、タイミングベルト・ウォーターポンプ交換や、足回りのブーツ類の交換などいろいろと整備がかかり、見積もり金額も高額になっていたうえに、
実際にご入庫いただいてリフトアップしたあとの点検で、
①フロントキャリパーが固着気味
※ フロントキャリパーの修理にくわしい過去記事はコチラから
②リヤブレーキシューの磨耗
といったブレーキ回りの作業も追加となった上に、
さらに
この冷却液漏れも、ご本人が気づかないまま、入庫したあとに発覚したという経緯もあったので、2万円近い新品のインテークマニホールドを追加注文するとお客様に金銭的にかなりの負担になる上に、部品が沖縄に在庫が無くさらに3~4日待たせることになり、直す方が良いと判断して研磨作業で済ませました。
取り付けると漏れも止まったので良かったです。
(T様お引渡しまで時間がかかりすみませんでした。また遠くからお越しいただきましてありがとうございました。)
沖縄県与那原町で
創業40年になる自動車修理工場
仲松自動車修理工場
営業時間 8:00~19:00
定休日 日曜日・祝祭日
車検・一般整備・板金塗装など車の事なら
なんでも御相談下さい
『愛車の傷・凹み、いくらになるのか不安・・でもお店に行くと断りづらい・・』 とお悩みの方必見!
携帯から写真を送っていただくだけでお見積りいたします!
弊社のメールアドレスに損傷箇所の画像をお送り下さい
メールアドレス>>naka.267@woody.ocn.ne.jp
←こちらのQRコードで、仲松自動車修理工場の電話番号・メールアドレスを携帯にご登録いただくこともできます。
代車・お見積り無料です!!
お気軽にご来店ください。お待ちしております
(担当:仲松良一)
地図はこちら
〒901-1301
与那原町字板良敷1365番地
仲松自動車修理工場
TEL 098-946-2185
Posted by 仲松自動車 at 18:09
│【エンジン】
この記事へのコメント
教えてください。
昨年暮れにダイハツの車を購入、わずか994kmでオーバーヒートによる
焼きつきでエンジンストップしてしまいました。
車種:ダイハツ グランマックス(インドネシア製)
エンジン形式:K3-DE. DOHC 1300cc
http://www.carview.co.jp/ims/2010/take_car/daihatsu_gran_max/default.asp?p=2
■状況、朝の始業点検問題なし、朝の配達1回目完了(約20km走行)
すぐに2回目同じ場所に配達、途中の高速で水温系がMAX、路肩に停止。(異音あり)
ボンネットを開けるとラジエターキャップが今にも吹き飛びそうで
脇からシューシューと吹きこぼれていたそうです。(ダイハツの担当はそれがおかしいとコメント、
斜めになることはないと断言、)
その後、エンジンを冷まし、水温系が下がったのを確認して水を足し再スタート、
しかし、3キロほど走ったところで水温系がまた上がり、エンジンストップしました。
ダイハツからの回答は、ラジエターキャップの閉め忘れでは?だそうです。
そんな事は考えられないですが、他に考えられる事がありましたら、
ご教授お願い致します。
昨年暮れにダイハツの車を購入、わずか994kmでオーバーヒートによる
焼きつきでエンジンストップしてしまいました。
車種:ダイハツ グランマックス(インドネシア製)
エンジン形式:K3-DE. DOHC 1300cc
http://www.carview.co.jp/ims/2010/take_car/daihatsu_gran_max/default.asp?p=2
■状況、朝の始業点検問題なし、朝の配達1回目完了(約20km走行)
すぐに2回目同じ場所に配達、途中の高速で水温系がMAX、路肩に停止。(異音あり)
ボンネットを開けるとラジエターキャップが今にも吹き飛びそうで
脇からシューシューと吹きこぼれていたそうです。(ダイハツの担当はそれがおかしいとコメント、
斜めになることはないと断言、)
その後、エンジンを冷まし、水温系が下がったのを確認して水を足し再スタート、
しかし、3キロほど走ったところで水温系がまた上がり、エンジンストップしました。
ダイハツからの回答は、ラジエターキャップの閉め忘れでは?だそうです。
そんな事は考えられないですが、他に考えられる事がありましたら、
ご教授お願い致します。
Posted by 佐々木 at 2011年03月05日 12:38